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エウリディケの窓

―あるひとつのあべこべ物語―

その日、ユリウスは大手食品会社の巨大なビルを見上げていた。


ユリウスは、シアトルのデザイン会社でデザイナーとして働いている。これから社長とともに、この食品会社との契約を勝ち取りに行くのだ。ユリウスが手がけたデザインはセンスが良く、顧客から高評価を得て、小さな企業相手から徐々に大手企業を相手にするようになった。今日は、まさにこれまでのなかで最も大きな契約がかかっている。


そのときだった。


「ユリー!」


「ユリー」とはユリウスのことだ。「ユリウス」というへんてこな名前を付けたのは父親だ。女の子なのにユリウス・カエサルにちなんで名付けたらしいのだが、ジュリアスではなく、ラテン語風の「ユリウス」にこだわったのだ。だが、たいていは「ユリウス」ではなく「ユリアス」と発音され、親しい立場からは「ユリー」と呼ばれる。


ユリウスを呼び止めた男は、フィラデルフィアで知り合ったアレクセイだった。ここシアトルまで、遠く離れたフィラデルフィアから追ってくるなんて、まるでストーカーのようだ。ユリウスは母と妹のマリア・バーバラを連れて、シアトルに移ってきたのだが、誰にも行き先は告げていないはずだ。


「まさか、アレックス! あなた、フィラデルフィアにいたのでは? なぜ、ここに?」


アレックスことアレクセイがユリウスを抱きしめた。


「会いたかった。どんなにおまえを探したか。向かいのカフェにいたら、おまえが通りかかるのを偶然にも見かけたんだ」


ユリウスの父が亡くなった後に、母の故郷のフィラデルフィアに移ってきて間もないころだった。ユリウスが、たまたま古びた建物の窓から下を見下ろしていたときに、アレクセイが通りかかるのを見たのがきっかけだった。どういうわけか、その窓は「エウリディケの窓」と呼ばれている。何かいわくありげなのだが、誰もよく知らないらしい。


ユリウスは、アレクセイのことが嫌いではなかった。むしろ真面目過ぎるほど真面目でハンサムな彼に恋していた。どういうわけか彼のほうも、特段の取り柄もないユリウスに興味を持ったようだ。


だが、ユリウスには恋愛などしている余裕はなかった。母と妹がこしらえた借金を返済し、姪を食べさせなければならなかったのだ。ユリウスは過去を振り切って、採用してくれた会社があるシアトルに来たのだ。


妹のマリア・バーバラは、まだ二十一歳だというのに二回も離婚を経験している。しかも、男の趣味が悪い。決して見栄えが悪くない男たちで、彼女は男たちにこれまでさんざん貢いできた。そのために借金さえした。子どももいるのに、また、新しい男に夢中になっている。


ユリウスは、母や妹のように男に依存して生きるなんて、まっぴらごめんだと考えている。男なんかに頼るより、自分で稼ぐほうがまっとうだ。つまり、ユリウスの人生には男なんて必要ないのだ。これまで、がむしゃらに働いて、ここまで来たのだ。それなのに、アレクセイときたら、まるでそれをぶち壊しに来たかのようだ。


「今から大切な仕事があるのよ。悪いけれども、わたしにはやらなければならないことがあるの。わたしのことは忘れて、フィラデルフィアに帰ってちょうだい」


ユリウスは、そう言ってアレクセイの腕からするりと抜け出した。


「待てよ」


アレクセイが大声を出してユリウスの腕をつかんだ。


「腕を離して。このあと大切な商談が控えているの」


「ではここで待っている」


強く引っ張られた勢いでユリウスは転びそうになった。


「そのあとは会社のスタッフと重要な打合せがあるのよ。お願いだから、もうわたしを追わないで。さようなら」


ユリウスがビルに入ろうとしても、なおもアレクセイは追ってくる。そのとき、車から降りたロストフスキー社長が、アレクセイの手を振り払った。社長は車内で秘書と電話で打ち合わせをしていたが、やっと終わったようだ。


「申し訳ないが、別の機会にしてくれないか」


社長は、アレクセイに微笑んだ。たたき上げのやり手と評判の社長は、その笑顔と財産で多くの顧客と女性を虜にしてきた。


「ユリー、準備は?」


「完璧です。社長」





ユリウスは愛車のコルベットのハンドルを握っていた。その日は、クライアントとの打ち合わせで妙に疲れていた。しかし、悪夢のような数か月を乗り越えたあとだったので、気分は達成感で満ちていた。


一年半前に、ユリウスは自分自身のデザイン会社を立ち上げた。前職の会社とは顧客層が違うため、競合することもなく、ロストフスキー社長も応援してくれる。ロストフスキー社長からは小さな仕事がまわされてくることすらある。


しかし、半年前に妹のマリア・バーバラが、片想いの相手にお金を注ぎ込むために、ユリウスのアイデアと新会社の企画をライバル会社に売り渡してしまったのだ。それ以来、ユリウスの会社は大混乱に陥った。ロストフスキー社長からは、レッスン代だと励まされ、やっと立て直したところだった。


仕事が持ち直してからは郊外に家を買って、ユリウスはそこに一人で住んでいる。マリア・バーバラと母とは距離をおくことにした。しかし、姪の顔を見るために遊びに行くこともあるし、姪の養育費という名目で金銭的な援助も続けている。


人気のない道路を走っているときに、いきなり眼前に人影が現れた。ユリウスは大慌てでブレーキを踏んだ。


ユリウスが急いで車から降りて、倒れている人物が誰であるかがわかると、自分の目を疑った。まさか。


――アレクセイ・ミカイロフ!いったい、なぜこんなところに?


しかも上半身裸で頭からは血を流していた。傷の様子からユリウスの車に当たったのではないのは明らかだ。


「いててて」


アレクセイはうめきながら、立ち上がった。


「アレックス、大丈夫?」


ユリウスが声をかけると男は目を見開いた。


「あんた、おれのことを知っているのか?」


「アレックス、いったいどうしたの? 頭を怪我して混乱しているのね? 落ち着いて」


アレクセイはすがるように叫んだ。


「アレックス? アレックスとはおれのことか」


「あなたは、アレクセイ・ミカイロフじゃないの?」


ユリウスもとっさに怒鳴り返したが、アレクセイの様子は真剣そのものだ。


「おれは、いったいどこの誰なんだ? 教えてくれ! おれはアレクセイなのか?」


なんてことだ。彼は記憶喪失のようだ。物語の世界にしか存在しないと思っていた記憶喪失が目の前で繰りひろげられている。ユリウスは、冷静に観察しようとしたが、目の前の男は取り乱したままだ。


「まず落ち着いて。そんなかっこうをして、何があったの? 強盗にでもあったの?」


ユリウスはアレクセイの肩を揺すった。


アレクセイは、途方に暮れた様子で道端に立っていた女性がいたので、運転していた車を止めたところ、後ろから殴られて、気が付いたら自動車と服も含めた全財産を奪われていたという。


ユリウスは携帯電話を取り出したが、アレクセイに止められた。


「頼む。警察は呼ばないでくれ。アルに叱られる」


「私に、傷だらけのあなたをここに放置しておけと? 保安官に事情を話すべきだわ」


押し問答の末、アルが何者かもわからないまま、夜も遅いので、保安官事務所には翌日通報することにし、ユリウスはアレクセイを乗せて家に連れて帰った。



疲れきっていたユリウスは、アレクセイを居間に残し、さっさと自分の部屋を施錠しベッドに転がるとすぐに眠ってしまった。だから、ユリウスがアレクセイの話をまともに聞いたのは、翌朝のことだった。


どうやらアレクセイは六年前から記憶を失っているらしい。六年前といえば、ユリウスがアレクセイに呼び止められ、仕事のために彼を突き放したころだ。


「目撃者の話では、おれは突然大通りに向かって何か叫びながらかけ出して、自動車とぶつかったらしい。気が付いたら、病院のベッドの上で、自分がどこの誰とも分からない状態さ」


話を聞く限り、アレクセイにぶつかってこられた自動車のほうが、被害者のように思われる。だが、運転していた女性が、親切にも記憶喪失になったアレクセイを退院後に引き取って、住居や仕事なども手配してくれたらしい。


けれども、ユリウスが彼を突き放した直後の出来事だとわかると、責任感がもたげてきた。もし、ユリウスがあのとき別の対応をしていたら、状況は違っていたかもしれない。その事故さえなければ、彼は今頃輝かしい人生を送っていたかもしれないのだ。


ユリウスは、アレクセイの身の上について知っていることを話した。アレクセイは名門大学のアメフトのチームで活躍していたこと。いわば花形選手で、女子生徒だけでなくプロやスカウトからも注目されていたこと。チームでは、デイヴィッドという後輩から頼りにされていたこと。ライバルチームのアイザックやモリッツと乱闘をしたことなどだ。だが、ユリウスは、ペンシルベニア州の田舎町に住むアレクセイの家族のことについては、何ひとつ知らない。


「おれは、あんたのことを知っている気がする。会ったとたんに、懐かしい気持ちと、切ない思いがあふれ出てきたんだ。ひょっとしたら」


何か聞きたくないことを言いそうなアレクセイを、ユリウスは遮った。ユリウスのほうは、アレクセイのことを思い出す余裕などなかった。毎日、深夜までアイデアを練って、説明資料を作成し、顧客の思いつきのような細かな要望に対応しながら仕事をした。帰宅するなり、ドアのところで倒れるように寝込んだことすらあるほどだ。そうやってキャリアを積んできた。


「とにかく、保安官事務所に行って、強盗にあったことを話すべきだわ。それにご家族からあなたの捜索依頼が出ていれば、ご家族と連絡が取れるかもしれないわ」


「おれを助けてくれた親切な女性が手を尽くして家族を探してくれたが、見つからなかったんだ。きっと身内はいないんだろう」


「どうしても嫌だというのなら、不審者として通報するわ」


ユリウスの脅しに、しぶしぶアレクセイは保安官事務所に同行した。




「アルローン・エゲノーフ? 変わった名前ね」


女性保安官補のガリーナとユリウスが同時に聞き返した。


「でも、どこかで聞いたことがあるわ」


ラップトップに向かったガリーナの顔色が変わった。


「アレクセイ、あなたはこのアルローンという女性に助けられたと言ったわね? どんなことをしていたの?」


「いや、たいしたことは何も。紹介してもらった会社の倉庫の管理の仕事をしている」


自分の名前がわからないアレクセイは、アルローンからはユーリ・プレシコフと呼ばれ、世間でもその名で通しているそうだ。アルローンは皆にはアルとしか知られておらず、アルローン・エゲノーフの名前は人前で出してはならないというルールがあった。


また、アレクセイは、おそらくユーリという人物は実在して、アルローンにとっては大切な人だったのではないかと考えている。アルローンには世話になったので、アレクセイは庭仕事をしたり買い物に付き合ったりもしたということだ。


「このあと、州警察、少し遅れてFBIが来て連行されることになるわね」


「おれは何もしていない」


「そうね、何かやましいことをしていたら、わざわざ保安官事務所にお出ましにならないでしょうね。ただ、FBIがマークする人物と関わったのが運の尽きね」


ガリーナが気の毒そうに言った。


「ところで、強盗犯は? まだ、この辺りにいたら、困るわ」


ユリウスは身震いしながらガリーナの腕をつかんで言った。


そのとき、ガリーナの相棒のフィヨドーが入って来た。


「先ほど事故車から弾薬が発見された。自動車の名義はユーリ・プレシコフとなっているが、運転者は別人で、車も盗難車らしい」


「おれの車だ。なんで、こんなことに」


ぐしゃぐしゃになった車の画像を見せられたアレクセイが、がっくりと肩を落として言った。


「FBIではなく、NCISのお出ましかもしれないぞ」


フィヨドーが言った。NCISとは合衆国海軍省が所管する海軍犯罪調査局のことだ。


「空母乗りの軍曹と二等兵が失踪し、同時に、ブローニングM2重機関銃とその弾薬の一部が喪失したそうだ」


しばらくして、州警察、FBIとNCISの捜査官がほぼ同時に保安官事務所に到着した。ひと悶着の末、NCISがアレクセイの事情聴取を行った。ユリウスは、手持無沙汰になったFBIから事情聴取を受ける羽目になった。


FBI捜査官のアナステイジャによると、アルローンというのはイスラム原理主義のテロの協力者だという。正体不明で、潜入先もつかめず、男か女かすら知られていなかったそうだ。


数日後、アナステイジャが、盗難車を運転していたのはマイケル・カーナコフという男で、その相棒のアントニーナという名の女性とともにアレクセイを襲ったことを教えてくれた。彼らとアルローンとの関係は捜査中とのことだ。ただ、アルローンという名前を口外しないようにと忠告を受けた。危険がつきまとうからだ。


アナステイジャは、アレクセイの家族も探してくれた。七年前、アレクセイ・ミカイロフとその弟ドミトリーは事故にあい、弟のほうはその事故で亡くなったそうだ。アレクセイ自身も、大怪我を負い、アメフト選手として絶望的な状況に陥った。やがて、母親代わりの祖母も病死して、彼は天涯孤独の身になった。しばらくしてからアレクセイ自身も行方不明になったという。


七年前といえば、ユリウスがフィラデルフィアを去ったころだ。その後、受難がアレクセイを襲ったのだ。だから、アレクセイと再会したときには、彼は全てを失い、追いつめられていたのだろう。そんな彼を突き放したことに、ユリウスは罪悪感を覚えた。捜索願が出されることもなかった彼の孤独を思うと胸が痛んだ。アメフト仲間はライバルが減って助かったことだろう。


アレクセイには身寄りもなかったからか、FBIとNCISはユリウスを説得した。そして、アレクセイは、しばらくユリウスの会社で雑用係として働くことになった。





ロストフスキー社長が珍しく秘書のレオニード・ユスポフを連れて来た。というより、レオニードは社長の車の運転をおおせつかったらしい。こういうときは、いつも車中で重要な会話が行われているようだ。


愛妻家で家族思いのレオニード・ユスポフは、有能だが、社長の予定よりも家庭を優先する。なので、仕事が時間外に及びそうなときは、社長から懇願されても遠慮なく断っている。


社長は他の秘書を雇ってみたが、結局は、彼に戻ってきてもらうことになった。彼ほど有能な人はいないという。弁護士や会計士よりも頼りになるそうだ。


確かにレオニードは頼りになる男で、ユリウスも困ったときに、何度も相談したことがある。顧客から無理難題を突きつけられたときなど、実に的確な助言をしてもらった。


「ユリー、仕事熱心なのもいいが、愛が我々に教えてくれることも多々ある。仕事だけが人生じゃない」


アレクセイのユリウスを見る目から何かを感じ取ったレオニードが、満面の笑みを浮かべて言った。


「彼は心底ユリーのことを思っているようだ。私は君がこのまま仕事に突き進んで、愛を知らない女性になるのは残念だと思っているよ。愛によって視野が広がり、仕事にも生きてくる」


レオニードは、あきあきした表情のロストフスキー社長をよそに、結婚生活がいかに仕事に生かされているかを語り出した。しかし、彼の場合、現実には有能な弁護士の妻アデルにほれ込みすぎて、あごで使われているのだ。


「でも、バービーのような人生はごめんだわ」


バービーというのは、マリア・バーバラのバーバラのことだ。


「でも、ユリーは妹さんを愛しているんだろう? だったら、彼女の人生も肯定すべきだよ」


レオニードとユリウスがやりとりしている間、ロストフスキー社長は、やれやれといった様子だ。アレクセイのほうは、熱い視線をユリウスに投げかけてくる。


――なんて人なの! フィラデルフィアにいたあのころから、少しも変わらない目でわたしを見つめるなんて




アレクセイは、アルローンに名付けられたユーリという名前に、どこか懐かしさを感じ、気に入っていたそうだ。


「記憶をなくしても心が『ユリー』という名前を覚えていて、名前が似ていたからだと思う」


アレクセイはそう言っていた。




ギリシャ神話には、竪琴の名手オルフェウスが、死んだ妻エウリディケを愛するあまり、黄泉の国まで連れもどしにいったという話がある。エウリディケの窓とは、ギリシャ神話のエウリディケのように、黄泉の国まで夫が会いに来たことに由来するのかもしれない。つまり、死んでも追いかけられるということだ。


ユリウスはため息をついて、天をあおいだ。



(終わり)



2022.04.29

『エウリディケの窓―あるひとつのあべこべ物語―』について

 ギリシャ神話のオルフェウスの話では、男のほうが死んだ女を追いました。ですので、クラウスにユリウスを追わせたい! と思ったのが発端となり、アレクセイにユリウスと同じ目に遭ってもらうという構想がむくむくともたげてきました。そこで、いっそのこと、他にもあべこべにしようと考えて、できたssです。


まず、本編では、アレクセイとユリウスの立場を逆にし、ユリウスを追ったアレクセイがユリウスに突き放されて、数年後に再会することにしました。次に、ユリウスがアレクセイを突き放す理由を考え、原作の時代の100年後のアメリカを舞台にしました。そして、その他の登場人物の設定をしました。彼ら自身に自分のことを簡潔に語ってもらうと次のようになります。(順不同)


◇レオニード(ロストフスキーの秘書)

天下国家のために働くのも悪くないが、私には良き夫であることが最優先事項で、家族こそ最も大切にすべきものと考えている。


◇ロストフスキー(レオニードの上司)

我が社の発展の秘訣は、顧客を満足させ、有能な従業員を大切にしてきたことだ。一人に思い入れ過ぎないのが私のモットーだ。


◇マリア・バルバラ(ユリウスの妹)

セクシーでなきゃ女じゃないわ。一生独身なんてばかみたい。いい男をつかまえてこその人生よ。男のいない女ってひがみっぽいのよね。


◇アルラウネ(テロ活動の支援者)

ユーリィ、あなたを売ったわたしを許して。あなたがテロ活動から離れてくれることを願っていたのよ。あなたの贖罪のために生きるわ。


◇ユーリィ・プレシコフ(テロリスト)

私はどんな誘惑にも負けない革命の闘士だ。


◇ドミートリィ(アレクセイの弟)

アレクセイ兄貴を尊敬している。兄貴のようなアメフト選手になりたかった。


◇ダーヴィト(アレクセイの後輩)

僕もお堅いと言われるが、アレクセイ先輩はそれ以上だ。


◇イザーク(大学アメフトチームのキャプテン)

アメフト選手になるために金で買える最高の環境を与えられた。モーリッツごときに負けてなるものか。


◇モーリッツ(イザークのチームメイト)

極貧家庭から、厳しい練習に耐えて、ここまで上りつめたんだ。勝つことが奨学金を得る条件だ。


◇ガリーナ(保安官補)

弱いものを守りたい。特に性犯罪は許さない。地面をはいつくばってでも証拠を見つけ、獣たちを豚箱にぶち込んでやる。


◇ズボフスキー(保安官補)

ガリーナからは教わることばかりだ。尾行ももっとうまくやらなければ。(原作では、教師役で、しばしば尾行されている等と言っていました。)


◇アナスタシア(FBI調査官)

テロや反政府活動を止めたくてFBIの捜査官になったけれども、大組織のなかで一職員として立ち回るのって難しいわ。(原作ではアレクセイ救出作戦の黒幕(?)。)


◇アデール(レオニードの愛妻)

大手弁護士事務所での仕事は、やりがいがあるわ。競争の激しい世界で成果をあげられるのは夫の協力のおかげよ。感謝しているわ。(原作では感謝したのはレオニードのほう。)


◇アントニーナ(?)

大恋愛の末に結婚して、愛する主人と満ち足りた生活を送っていたのに。(原作では最期のときにやっと満ち足りたとか。)


◇ミハイル(?)

アントニーナは俺だけのものだ。おまえなしには生きていけない。(原作ではアントニーナがの声。)


他にも、ヴェーラさん、リュドミールくん、ストラーホフ伯爵、シューラさん親子なども登場させたかったのですが、長くなり過ぎそうですし、役目が思いつきませんでした。


人物名のカタカナ表記が難しくて二回変えました。今後も表記を変えるかもしれません。


人物像と場面を原作と大きく変えましたが、お遊びということで、笑って読んでいただければ幸いです。ありがとうございました。

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